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梅を美味しくアレンジ! 梅サワーの作り方

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きれいな花を眺めたり、実を加工して食べたり、梅は日本人の文化に深く関わって来ました。特に梅の実を塩漬けした梅干しは、ご飯のおかずやお茶うけなど、幅広い用途で使える日本古来の保存食のひとつです。ご家庭で手作りしているという方もいらっしゃるでしょう。 

梅の実は、梅干し以外にも梅酒や梅シロップなど、幅広いアレンジを楽しめます。梅干し以外の方法でも、楽しんでみてはいかがでしょうか。 

ここでは、梅のアレシピのひとつ、梅サワーに注目して、作り方や梅サワーのアレンジ方法などについてご紹介します。 

収穫した梅はどう使う?

近年は、梅を使って梅干しや梅酒、梅シロップといった保存食を作る「梅仕事」の人気が高まっています。梅の収穫時期は、ちょうど梅雨に当たる6月頃です。この時期に梅仕事を済ませておけば、1年中自家製の梅干しや梅酒を楽しめます。 

「梅」と一口にいっても、青梅や完熟梅など、収穫される時期によって香りや味わいの特徴が異なるため、適した用途も変わります。例えば、さわやかな酸味が楽しめる青梅は梅酒や梅シロップ、梅サワーを作る用途に、熟して実が柔らかい完熟梅は梅干しや梅ジャム作りなどの用途に最適です。 

それぞれの違いを踏まえたうえで使い分けると、より梅を楽しめるようになるでしょう。 

梅の持つ栄養は? 梅を食べるメリット 

古くから保存食として親しまれていた梅干し。昔は薬用で使われていて、『医心方』という現存する日本最古の医学書でも、薬として使われていたことが記されています。「梅はその日の難のがれ」などの言い伝えからも、梅干しが昔から健康食として親しまれていたことが読み取れます。 

では、具体的にどのような栄養を含んでいるのでしょうか。

梅のメリット

梅は、クエン酸やリンゴ酸、コハク酸など、有機酸(酸性を示す有機化合物)を多く含んでいる食べ物です。有機酸以外にも、ポリフェノールやミネラル、カルシウム、鉄といった成分を含んでいます。 

抗菌作用があり保存がきく、栄養補給を気軽にできるといった面から、戦国時代は武士が戦場で食べる栄養食としても使われていたそうです。 

また、梅の酸味は唾液の分泌を促すことで、食欲を増進させる効果も期待できます。 

食べ過ぎには注意しよう 

梅干しは塩分濃度が高い食材なので、食べ過ぎは塩分過多につながる恐れがあります。ちまたで「体に良い」とされる食べ物全般にいえることですが、摂り過ぎは逆に体に悪いことがほとんどです。 

栄養食だからとたくさん食べるのではなく、1日1~2粒を目安に、適量を食べることを心がけましょう。 

また、朝起きた直後や空腹時に梅干しをいきなり食べると、塩分や酸味が胃や喉に刺激を与えてしまうことも考えられます。ご飯と一緒に食べたり、白湯やお茶と合わせたりするのがおすすめです。 

梅サワーを作ってみよう  

手軽に梅を取り入れたい方におすすめなのが「梅サワー」です。「サワー」と聞くとお酒のイメージを持たれるかもしれませんが、梅とお酢を使って作るノンアルコール飲料なので、お子様やお酒が苦手な方でも安心して飲むことができます。 

穀物酢はもちろん、リンゴ酢や黒酢でも作ることができるので、ぜひ試してみてください。ここからは、梅サワー作りに必要な材料や、作り方の手順をご紹介します。

梅サワー作りに必要な材料 

梅サワーは、材料を用意すれば家庭でも簡単に作ることができます。梅サワーの材料は、以下のとおりです。 

【材料】 

・青梅(完熟梅も可):1kg 

・お酢:1000㏄ 

・氷砂糖:600g 

・ガラスやホーロー製の保存容器:容量4Lのもの 

・竹串または爪楊枝:数本 

お酢は穀物酢やリンゴ酢、米酢、黒酢など、好みのもので構いません。甘い味が好みの場合は、氷砂糖の量を少し増やすのもおすすめです。 

また、金属製やプラスチック製の容器を使うのは避けましょう。酸の影響で容器の成分が溶け出たり、変質したりする恐れがあります。必ずガラス製やホーロー製の食品用容器を用意してください。 

梅サワー作りの手順 

必要な材料を用意したら、さっそく梅サワーを作っていきましょう。基本的な工程は梅酒作りの工程と同じです。 

【梅サワーの作り方】 

1.保存容器を熱湯で煮沸消毒するか、アルコールをかけて消毒する。水気が残っているとカビが発生しやすいので、完全に乾燥させる 
 

2.青梅は丁寧に洗い、1~2時間ほど水に浸けてアク抜きする。黄色く熟した完熟梅の場合はアク抜き不要 

3.水気をキッチンペーパーで優しく拭き取り、竹串や爪楊枝でヘタを取る。傷んでいる、虫食いがあるものはこの段階で取り除く 

4.保存容器に青梅と氷砂糖を交互に入れたら、お酢を入れる 

5.容器にフタをして、冷暗所で保存する。1日1回程度、軽く振り混ぜておくと、砂糖が溶けやすくなる 

6.梅を漬け込んでから1~2ヶ月ほど経ち、梅の実がしぼんできたら完成 

青梅は、事前に冷凍しておくのもおすすめです。冷凍することで梅の繊維が壊れ、エキスが出やすくなります。冷凍した梅を使う場合は、2週間程度で完成です。  

​​​梅サワーの保存方法 

梅を漬け込んでいる間も、梅サワーができあがってからも、できるだけ涼しく直射日光の当たらない冷暗所に保管するのが基本です。床下収納など、温度を一定に保ちやすい場所がある場合は、そこに置いて保管しましょう。 

夏場など、どうしても保管場所の温度が高くなってしまう場合は、冷蔵庫に入れて保管することをおすすめします。 

問題がなければ、常温保存でも1年ほどはおいしく使うことが可能です。 

梅サワーのアレンジレシピ 

できあがった梅サワーは、水や炭酸水、牛乳、アルコールなどで割るだけで、おいしく飲むことができます。分量は好みに応じて調整しましょう。 

お酢を使っている分、梅シロップよりもさっぱりした飲み口なので、夏の暑い日にも最適です。 

また、水や炭酸水で割る以外にもアレンジ次第でさまざまな楽しみ方ができる点も、梅サワーの魅力です。ここからは、梅サワーを使ったアレンジレシピをご紹介します。

アレンジレシピ1:梅サワーティー 

梅サワーと紅茶を合わせれば、レモンティーのようなさわやかなドリンクを楽しめます。紅茶に梅サワーを入れるだけと、作り方も簡単です。 

梅サワーと紅茶は1:5を基本に、お好みで分量を調整してみてください。 

アレンジレシピ2:梅サワーソース

梅サワーは、ドリンクではなく料理やデザートのソースにしたり、隠し味にしたりすることもできます。 

例えば、梅サワーとしょうゆを1:1の比率で混ぜ合わせるだけで、さっぱりとしたソースが完成します。肉料理や魚料理、サラダなど、さまざまな料理にかけて楽しんでみてはいかがでしょうか。 

また、酢の物作りや料理の調味料など、通常のお酢のように使うのもおすすめです。 

オリジナルの梅サワーを楽しもう

梅干しや梅酒など、幅広い方法で楽しめる梅。お酢に漬け込んで作る梅サワーも、さっぱりした風味を味わえます。炭酸水で割るとさわやかなドリンクになるので、夏場は特におすすめです。おいしく水分補給しながら、梅の栄養を摂取できます。 

炭酸水以外にも、お酒や牛乳、紅茶で割ってアレンジドリンクにしたり、一般的なお酢と同じく料理に使ったりするのも良いでしょう。 

たくさんの楽しみ方ができる梅サワーを、ご家庭で作ってみてはいかがでしょうか。 

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