• 梅の魅力

しだれ梅の特徴とは?花言葉や育て方のポイントをご紹介

更新日:

梅干しを食べたり、花を観賞したり、日本では馴染み深い植物の「梅」。非常に多くの種類がありますが、中でも華やかな見た目から観賞用として人気が高いのがしだれ梅(枝垂れ梅)です。 

盆栽でも人気のしだれ梅ですが、具体的にどのような特徴を持っているのでしょうか。ここでは、しだれ梅の特徴や花言葉、基本的な育て方のポイントなどをご紹介します。 

しだれ梅とは

しだれ梅(英名:Weeping plum)は、奈良時代頃に日本に渡ってきたとされる中国原産のバラ科サクラ属の植物です。 

梅は実を梅干しなどにして食べる「実梅」と、花を鑑賞する目的の「花梅」の2種類に大きく分けられますが、しだれ梅は花梅に分類されます。 

樹は5~10m程度まで伸び、葉はギザギザした形をしているのが特徴です。地域によって開花時期は異なりますが、概ね2~3月頃になると、垂れ下がった枝に白色やピンク色の花をたくさん咲かせます。 

しだれ梅の花言葉

しだれ梅の花言葉は、「忠実」「高潔」「忍耐」の3つです。それぞれの花言葉の由来は、以下の通りです。 

【忠実】 

学問の神様として知られる平安時代の貴族、菅原道真が九州(福岡県)の太宰府に左遷された際に、育てていた梅が飛んできたという言い伝えがあります。この言い伝​​え​​​に​ちなんで、忠実という花言葉がついたとされています。 

【高潔】 

しだれ梅が咲き誇る絢爛豪華な姿から、高潔という花言葉がついたとされています。 

【忍耐】 

梅は、寒い時期に花芽をつけ、寒さの残る春先に開花し始めます。その様子から、忍耐という意味がつきました。 

しだれ梅の育て方

しだれ梅は、自宅で育てて見た目の華やかさを楽しむことができます。梅は比較的育てるのが簡単とされる樹種ですが、きれいに花を咲かせるためには、育て方のポイントを押さえておくことが大切です。しだれ梅の育て方を、ポイントごとにご紹介します。 

​​​育てる場所 

地植えや鉢植えを問わず、しだれ梅は風通しと日当たりが良い場所で育てるのが基本です。日陰でも枯れる心配は少ないですが、日当たりの良い場所の方がたくさんのきれいな花を咲かせます。 

室内で盆栽を育てる場合も、定期的に日の光に当てるようにしましょう。 

​​​水やり 

しだれ梅をはじめ、梅は水を好む品種なので、水やり(灌水)は忘れずに行いましょう。鉢植えの場合は、植えている鉢の表面が乾いたら、鉢底から水があふれるくらいを目安にしっかりと水やりを行います。 

水やりの具体的な回数は、季春から秋は1日2回、冬は2~3日に1回程度を目安に、季節や気候に合わせて調整するのがおすすめです。 

地植えの場合は、定期的に水やりを行う必要はなく、雨水だけで十分とされています。地面の乾燥が気になった場合に水やりを行ってください。 

​​​土づくり・肥料やり 

きれいに花を咲かせるためには、土づくりも重要なポイントです。梅は、通気性や水はけの良い土を好みます。 

鉢植えの場合は、粒状で通気性や保水性に優れている鹿沼土や赤玉土に、腐葉土を少し混ぜるのがおすすめです。庭などで地植えする際も、土に腐葉土を混ぜておきましょう。 

また、ある程度の期間中は効果が持続する「緩効性」の固形肥料を土に混ぜておくと、花付きを良くすることができます。5月と6月、9月辺りを目途に、定期的に肥料を与えるようにしましょう。 

鉢植えの場合は、固形肥料ではなく液体肥料を使うのも問題ありません。 

​​​剪定 

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があることからもわかるように、梅の樹形を整えて花付きを良くするためには、「剪定(せんてい)」作業も重要なポイントです。 

剪定とは、見た目が悪い枝や不要な枝を根元から切り落として、樹形を整える作業のことを指します。成長力の強い梅はそのままにしていると樹形が悪くなるため、きれいな梅の花を楽しむためには剪定作業が欠かせません。 

地植えと鉢植えで剪定時期が少し異なるため、注意が必要です。 

​​​【地植えの場合】 

地植えのしだれ梅は、10~1月頃の花芽が付く前に剪定を行いましょう。​この時期になると花になる​花芽​を確かめやすいので、花芽を落としてしまうのを防げます。​​     ​ 

伸びすぎた枝や混みあっている部分がある場合は、6~7月辺りにも軽く剪定して、樹形を整えてください。 

枝は非常に硬いため、のこぎりを用意しておくと安心です。 

【鉢植えの場合】 

鉢植えのしだれ梅は、開花期が終わった頃に剪定を行うのがおすすめです。​一度花が咲いた場所を切り落とすと、コンパクトな樹形を保ちながら、きれいな花を楽しめます。​新しい芽が付いている枝を取り除かないように注意しましょう。地植えのしだれ梅よりも多めに剪定するのがポイントです。 

枝の長さや高さが、元の3分の1から半分ほどになるように剪定を行うと、樹形をコンパクトに保てます。 

また、剪定を終えた後は、切り口に癒合材と呼ばれる植物用の塗り薬を塗って、雑菌が入るのを防ぐことも重要です。 

​​​挿し木 

しだれ梅は、種からではなく、株の一部を切り取って発根させる「挿し木」を行って数を増やすこともできます。6~7月頃を目途に、挿し木を行ってみるのも良いでしょう。 

【挿し木の方法】 

1.春以降に伸びた枝から、良いものを選んで10cmくらい切り落とす。葉は数枚を残して取り除く 

2.発根剤を入れた水に切り落とした枝を数時間浸す 

3.挿し木用の土を入れた鉢などに植える 

4.根が生えて安定するまで、風通しと日当たりの良い場所で管理しながら水やりを行う 

5.根が張ったら、苗を好きな場所に植え替える 

​​​植え替え 

鉢植えの場合は、開花後の2~3月に植え替えを行うことも大切です。梅は葉や枝だけでなく根も成長しています。 

鉢の中で根が広がり過ぎて根詰まりを起こすと、枯れる原因になることもあります。2~3年に1回を目安に植え替えを行いましょう。 

【しだれ梅の植え替えの方法】 

1.今までのものより一回り大きな鉢を用意する 

2.鉢からしだれ梅を取り出し、根を優しくほぐして土を落とす 

3.傷んだ根がある場合は、少し切り落とす 

4.新しい鉢の中に土を入れたら、しだれ梅を植える 

​​​害虫対策 

しだれ梅は、アブラムシやカイガラムシといった害虫が付きやすいです。放置していると栄養が吸い取られて、樹木が弱って枯れてしまう恐れがあるので、害虫対策も欠かさずに行いましょう。 

アブラムシは市販の殺虫剤で対策できますが、カイガラムシには効果が薄いため、ブラシなどで直接こそぎ落とすことをおすすめします。 

また、日当たりが悪い場所は虫がつきやすくなります。剪定をしっかり行ったり葉の量を少し減らしたりして、日当たりを良くすることも大切です。 

しだれ梅の有名な場所

自宅で育てるのも良いですが、しだれ梅の名所で梅見を楽しむのもおすすめです。日本各地の代表的な名所としては、次の場所が挙げられます。 

【代表的なしだれ梅の名所】 

・京都府:京都城南宮 

・三重県:鈴鹿の森公園 

・静岡県:昇竜しだれ梅園 

・神奈川県:曽我梅林 など 

他にも、日本各地にしだれ梅の名所は存在しています。住んでいる場所の近くにある名所を調べて、訪ねてみてはいかがでしょうか。 

しだれ梅に関する知識を深めよう

たくさんの美しい花を咲かせるしだれ梅は、春の訪れを知らせてくれる植物です。地植えはもちろん、鉢植えや盆栽にして育てることができるので、庭がない家庭でも楽しめます。 

比較的丈夫で育てやすい植物なので、初心者の方でも育てやすいでしょう。 

しだれ梅の知識が増えれば、梅の名所を訪ねた時もより楽しめるようになるはずです。ご紹介した内容を参考に、しだれ梅をご家庭で育ててみてはいかがでしょうか。 

関連記事一覧

  • 梅の魅力

梅の種類はどのくらいある? 代表的な種類と特徴を解説

  • 梅の花
  • 歴史・文化
  • 梅の魅力

縁起物として人気の長寿梅とは? 盆栽の育て方を詳しく解説

  • 梅の花
  • 歴史・文化
  • 梅の魅力

梅の花言葉について知ろう!色別の意味やことわざもご紹介

  • 梅の花
  • 梅の魅力

梅の見頃はいつ?開花のシーズンや梅の名所をご紹介

  • 梅の花