梅の用途は収穫時期で決まる！ 熟度ごとのおすすめの加工方法を大公開

梅干しやシロップ、ジュース、梅酒、ジャムなど、さまざまな方法で楽しめる梅。1年中食べることができる食材ですが、収穫の時期はいつ頃なのでしょうか。 

また、梅は熟度によって収穫する時期や、適した使い方が異なります。梅の収穫時期や熟度ごとの用途の違いを知っていれば、より梅をおいしく使えるようになるでしょう。 

ここでは、梅の収穫時期の目安と熟度別の梅の使い方、梅を使ったレシピの一例などをご紹介します。 

梅の収穫時期は？

青梅で作る梅シロップや梅酒 

熟す前の青梅は、実が硬く酸味が強いのが特徴です。完熟梅よりもエキスが出やすいので、梅のさわやかな風味を生かしやすい、梅シロップや梅酒作りに適しています。 

完熟梅でも梅シロップや梅酒を作ることはできますが、エキスの量が少なく、できあがりの粘度も高くなります。また、完熟梅は青梅よりも糖度が高く発酵しやすいので、保管にも注意が必要です。 

【梅シロップ・梅酒の作り方】 

1．保存容器などを消毒する 

2．使用する梅を丁寧に洗ったら水につけ、アク抜きを行う 

3．ヘタを取り、しっかりと水気を拭き取る 

4．保存容器に、青梅と氷砂糖を交互に入れて密閉する。梅酒の場合はホワイトリカー（焼酎）も一緒に入れる 

5．冷暗所において、定期的に容器を振って中身をよくかき混ぜる 

完熟手前の梅で作る梅ジャムや梅肉ペースト 

少し黄色がかった状態で、柔らかさと程良い酸味がある梅は、梅ジャムや梅肉ペーストに使用するのがおすすめです。 

青梅でも梅ジャムを作ることはできますが、完熟梅ならアク抜きを行う必要がありません。手間を減らすことができるので、初めて作るという方は完熟梅でチャレンジするのがおすすめです。 

【梅ジャムの作り方】 

1．梅を軽く水洗いして、ヘタを竹串で取り除く 

2．鍋に梅の実と梅の実が被るくらいの水を入れ、中火にかける 

3．梅の実が柔らかくなったら、一度ザルに上げて水気を切る 

4．梅の実が冷めたら種を取り除き、果肉を潰して裏ごしする 

5．裏ごしした梅を鍋に戻して、砂糖を加えてとろみがつくまで弱火で煮続ける 

ジャムは冷ますととろみが強くなります。軽くとろみがついた段階で火を止めるのが、おいしく仕上げるポイントです。 

完熟梅で作る梅干し 

完全に黄色く熟した状態の梅の実は、柔らかく甘さもあるのが特徴です。梅干し作りに適しています。 

梅ジャムや梅肉ペーストと同様に、完熟梅ならアク抜きを行う必要がありません。 

【梅干しの作り方】 

1．保存容器や竹串など、使うアイテムをアルコールや熱湯で消毒しておく 

2．梅を水で丁寧に洗い、竹串でヘタを取る。洗った梅は水気をしっかりと切っておく 

3．消毒して乾かした容器に、梅と塩を隙間ができないよう交互に入れていく 

4．最後は梅を覆い隠すように塩を入れて、落とし蓋と重しを乗せる 

5．梅酢が上がってきたら重しを軽くして、冷暗所で1ヶ月ほど保存する 

6．晴天が続く日を狙って梅を取り出し、天日干しを行う（土用干し） 

7．土用干しが終わったら、保存容器に戻して保存する 

梅を使ったおすすめレシピ

梅干しや梅ペーストなど、梅の加工品はさまざまな料理に使うことができます。収穫した梅で梅干しやジャムなどを作ったら、料理に生かしてみてはいかがでしょうか。 

ここからは、加工後の梅を使ったレシピの例をご紹介します。

梅干しを使ったレシピ

​​梅干しは、そのままでもおいしく食べることができますが、ちょっとしたアレンジを加えてみるのがおすすめです。 

例えば、梅干しだけでなく、細かく刻んだ梅干しとおかかをご飯に混ぜておにぎりにすれば、梅干しだけで作るおにぎりとは異なるおいしさを楽しめます。 

白米と梅干しを一緒に炊飯器で炊いて、梅ごはんにするのも良いでしょう。水で炊飯してもおいしいですが、だしを使って炊飯するとよりおいしく炊き上がります。 

梅肉ペーストを使ったレシピ 

酸味がある梅肉ペーストを使えば、普段の料理をよりおいしく作ることができます。 

ささみ肉で梅肉ペーストやチーズを挟んで揚げたり、めんつゆでペーストを伸ばして冷やしうどんのたれにしたりするのがおすすめです。 

梅シロップを使ったレシピ 

梅シロップは、水や炭酸水、お湯などで割るだけで、ジュースとして楽しめます。水との比率は、好みに応じて調整してみてください。紅茶や緑茶、牛乳、お酒で割ってみるのも良いでしょう。 

また、料理やデザートの隠し味として使うこともできます。梅の香りとさわやかさが加わるので、肉料理のソースにするのもおすすめです。 

収穫時期には梅狩り体験もおすすめ 

いちご狩りや桃狩り、ぶどう狩りなど、果物の生産地ではよくフルーツ狩りを行っています。梅も収穫時期になると「梅狩り」を行っている場合があるので、体験してみてはいかがでしょうか。 

産地にもよりますが、概ね5月中旬から7月上旬頃にかけて梅狩りが開かれています。 

ただし、梅狩りをいつ行っているのか、定員がどれくらいかなど、農家さんによって状況はさまざまです。事前に確認を取っておくことをおすすめします。

 作りたいものに合わせて収穫しよう

梅の収穫時期は、産地や気候はもちろん、どのように使うのか、何に使いたいのかによって異なります。青梅なら梅シロップや梅酒に、完熟梅なら梅干しにと、さまざまな方法で楽しめるのが、梅の魅力のひとつです。 

もちろん、完熟梅を使って梅シロップや梅酒を作ることもできます。自分好みの味を探してみるのも面白いかもしれません。 

また、収穫後に加工（梅仕事）を行えば、長期間楽しめる点も梅ならではの魅力といえます。ご紹介した内容を参考に、梅をより楽しんでみてください。