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梅の木の種類はどれくらい？ 品種ごとの特徴と育て方を解説
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実を加工して食べたり、花を見て楽しんだりできる梅は、古くから日本人にとって身近な存在の植物です。実は梅の木には多くの品種があり、それぞれ特徴が異なることをご存じでしょうか。梅の木の種類や特徴を知れば、より梅を楽しめるようになります。
ここでは、梅の木の概要や種類ごとの特徴、育て方についてご紹介します。
梅ってどんな木？
梅はバラ科サクラ属スモモ亜種に分類される、落葉高木です。サクラやモモ、スモモなどの仲間で、赤や白、ピンクなどの華やかな色の花を咲かせます。
原産地は中国で、古くから花を観賞したり、実を食べたりして親しまれてきました。
また、梅は非常に多くの品種が存在しているのも特徴です。栽培する目的から、花を観賞する「花梅」と、実を食用として収穫する「実梅」に大きく分けることができ、花梅だけで300種類以上の品種があります。
花梅の系統
花梅は大きく野梅系・緋梅系・豊後系の３系に分けられ、そこからさらに９性に細かく分けることができます。それぞれの特徴と代表的な品種は、以下のとおりです。
野梅系
野梅（やばい）系は、中国由来の梅の原種に近いとされる品種です。花梅の中でも特に多く見られます。
花や葉は小さく、枝も細いなど、全体的に小ぶりな印象を備えています。香りが良い点も特徴です。
野梅系はさらに、野梅性（やばいしょう）、難波性（なにわしょう）、紅筆性（べにふでしょう）、青軸性（あおじくしょう）の4性に分けられます。
一重野梅（ひとえやばい）や八重野梅（やえやばい）、御所紅（ごしょべに）、紅筆、緑萼（りょくがく）などが、野梅系の主な品種です。
緋梅系
野梅系の変化した品種です。花は紅色や緋色の品種が多いですが、白色のものもあります。
大きく、緋梅性（ひばいしょう）、紅梅性（こうばいしょう）、唐梅性（とうばいしょう）の3性に分けられます。
緋梅、鹿児島紅（かごしまべに）、蘇芳梅（すおうばい）、大盃（おおさかずき）、紅千鳥（べにちどり）、東雲（しののめ）、唐梅（からうめ）などが主な品種です。
豊後系
梅とアンズ（杏）の交配で生まれた品種です。花はピンク色をしたものが多く見られます。木の幹が太く花や葉は大きいものの、香りは控えめな傾向にあります。
豊後性（ぶんごしょう）と杏性（あんずしょう）の2性に分けられます。
桃園（ももぞの）や楊貴妃（ようきひ）、桜鏡（さくらかがみ）一の谷（いちのたに）、緋の袴（ひのはかま）などが主な品種です。
代表的な実梅の種類
実を食べる用途で育てられるのが「実梅」です。有名な品種としては、以下が挙げられます。
南高（なんこう）
実梅の中で知名度が高く、生産量も多いのが南高梅です。和歌山県の紀州南高梅は高級品とされています。皮が薄く果肉は柔らかいので、ジューシーな食感を楽しめるのが魅力です。
古城（ごじろ）
青いダイヤと呼ばれることもある、青梅の一級品です。南高梅より実が引き締まっていて、フレッシュな香りを楽しめます。近年は生産量が減っている希少品です。
梅酒作りに適しています。
白加賀（しらかが）
群馬県を中心に、主に東日本で栽培されている品種です。形の美しい実と、繊維が少なく肉厚な果肉を楽しめます。南高梅に比べるとさっぱりとした味わいが特徴です。
梅シロップや梅酒、梅干しなど、幅広い用途で使うことができます。
豊後（ぶんご）
寒さに強く、寒冷地でも栽培されている品種です。酸味が穏やかで果肉が多いため、梅酒やジャム、梅シロップに向いています。酸味が少ない梅干しを作りたい場合にもおすすめです。
ピンク色のかわいらしい花が咲くので、観賞用途で楽しむこともできます。
梅の木の育て方
梅の木は自宅の庭で育てたり、鉢植えにして盆栽として楽しんだりすることも可能です。花を楽しみたい、実を収穫したいという方は、梅の木を育ててみてはいかがでしょうか。
ここからは、梅の木を育てる際に注意したい、苗木の選び方や育てる際のポイントなどについてご紹介します。
苗木の選び方
梅の木を育てる際は、目的に応じた苗木を用意することが大切です。実を楽しみたい場合は実梅を、花の鑑賞を目的にしたい場合は花梅を選ぶと良いでしょう。
ただし、梅は自家受粉（自分と同じ品種の花粉で受粉すること）をしないタイプが多いです。自家受粉しないタイプの梅の木から実を収穫したい場合は、2～3種類以上の梅の木を植える必要があります。
栽培に適した環境は？
梅は寒さや暑さに強い植物なので、基本的には全国各地で栽培できます。庭に植える場合は、日当たりと排水が良い場所を選ぶのがポイントです。
鉢植えをして盆栽を楽しみたい場合は、日当たりと風通しが良い場所を選ぶようにしましょう。乾燥を防ぐためにエアコンの風が直接当たる場所は避けるのがポイントです。
水やりの方法
梅は水を好みます。植えてから2年間ほどは、土が乾く度にしっかりと水やりを行ってください。2年を越えたら基本的には水やりは不要です。雨が降らず夏場に晴れの日が続いた際に、必要に応じて水やりを行ってください。
鉢植えの場合は、鉢の表面が乾いたら鉢底から水があふれるくらいを目安にしっかりと水やりを行います。水やりの具体的な回数は、季節や気候に合わせて調整するのがおすすめです。
春と秋は1日1回、夏場は1日2回、冬は2～3日に1回程度を大まかな目安にすると良いでしょう。
肥料もしっかり与えよう
肥料をしっかり上げることもポイントです。肥料が足りないと、枝が細くなって落葉したり花芽が付かなかったりする原因になります。
庭木は12～1月頃に肥料を与えましょう。苗木を植える際に元肥として有機質肥料を与えておくのも有効です。
鉢植えの場合は、4月、5月、9月頃の年3回を目安に肥料を与えてください。
剪定もポイント
剪定（せんてい）とは、見た目が悪い枝や不要な枝を根元から切り落として、樹形を整える作業です。梅の木をそのまま放置していると、枝が伸びすぎて樹形が悪くなってしまいます。
花や実の付き方にも影響するので剪定作業は欠かさず行いましょう。
庭木の場合は夏と冬の2回、鉢植えの場合は開花が終わった3月頃が、剪定を行う時期の目安になります。
また、剪定を終えた後は切り口に癒合材と呼ばれる植物用の塗り薬を塗ることも重要です。切り口から雑菌が入り、梅盆栽が悪くなるのを防ぐことができます。
実の収穫時期
木を植えてから3～4年ほどで実がなります。実梅を育てる際は収穫時期も覚えておきましょう。
梅酒や梅シロップ作りで使う青梅を収穫したい場合は、5月末頃が収穫時期になります。完熟梅を収穫したい場合は、実が色づく6～7月頃が目安です。実が落ちて傷つくのを防ぐために、収穫ネットを用意しておくのも良いでしょう。
ただし、具体的な収穫時期は梅の種類やその年の気候などによって異なります。
品種ごとの違いを知れば鑑賞や梅仕事がより楽しく
梅の木には非常に多くの種類があります。それぞれ特徴が異なるので種類ごとの違いを知っておけば、花を観賞したり、実を食べたりする際にも役立つはずです。
また、木を自宅で育てられるのも梅の魅力です。庭がない場合も盆栽として美しい花を楽しむことができます。
品種ごとの違いを知って梅をよりさまざまな方法で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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