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お祝いごとにピッタリ!かわいい梅結びの意味や結び方をチェック
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祝儀袋やお中元、お歳暮などに添える飾り紐は、「水引」と呼ばれます。水引の結び方にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる意味があります。使用するシーンによって紐の本数や色も決まっているため、適切なものを使い分けることが大切です。
水引の結び方にはいくつか種類がありますが、中でも人気が高いのが「梅結び」です。
今回は、水引の結び方のひとつである梅結びについて、持っている意味や結び方、使い方の例などをご紹介します。
梅結びの意味
梅結びは、「あわじ結び(あわび結び)」を変形させた、水引の結び方の一種です。結び目が梅の花に似た形をしていることから、梅結びと呼ばれます。
梅結びには、以下の3つの意味が込められているとされています。
1.固い絆
引っ張るとすぐほどけてしまう蝶結びと異なり、梅結びは複雑な結び目で固く結ばれていて、簡単にほどくことができません。
「絆が固く結ばれてほどけにくい」という意味が込められていて、結婚式やお見舞いなど、さまざまな用途で使われています。
2.運命向上
梅は、寒さが厳しい冬を乗り越えて、春先に花を咲かせます。まだ寒い時期に香りの良い花が咲くことから、「幸先が良い」と捉えられ、運命向上の意味も持っています。
3.魔除け
水引は昔、航海時のお守りとして使われていたという説があります。
また、梅の花の香りは鬼が嫌うという言い伝えもあり、古くから魔除けの効果があるとされてきました。
無病息災や厄除けを願う気持ちも、梅結びには込められています。
梅結び以外の水引の種類
水引の結び方には、梅結び以外にもさまざまな種類があります。それぞれ意味や使われるシーンが異なるので、違いを覚えておきましょう。
基本的な水引の結び方と意味は、以下のとおりです。
【蝶結び】
蝶結び(花結び)は、すぐにほどけて、結び直すのも簡単な結び方です。お中元やお歳暮、出産祝い、入学祝いなど、「何度繰り返しても良い」お祝いやお礼の贈答品に使われます。
一方で、結婚祝いや弔事全般など、繰り返したくないことには使いません。
【結び切り】
結び目の先端が上を向いた結び方が、結び切りです。真結びや本結びと呼ばれる場合もあります。
水引が固く結ばれており、一度結ぶとほどくのが難しいため、結婚祝いや弔事など、「人生において一度きりであって欲しい」「二度と繰り返したくない」ことに対して使用します。
慶事と弔事を問わず使えますが、慶事では紅白、弔事では黒白(地域によっては黄白)の水引を使う点に注意が必要です。
【あわじ結び】
結びが非常に複雑で、結び切りと同じく簡単にほどけないため、「一度きりであって欲しい」ことに使用される結び方です。結び目の形から、あわび結びとも呼ばれます。
「末長く続きますように」という願いが込められていて、結婚祝いの他、弔事で使うこともあります。
梅結びの作り方
一見複雑に思える梅結びですが、基本はあわじ結びの応用です。やり方を覚えておけば誰でも結べるようになります。梅結びに使う材料と梅結びの作り方をご紹介するので、祝いごとの際にぜひ活用してみてください。
使用する材料
梅結びは、水引とはさみ、針金があれば作ることができます。
水引は、結び目を作りやすい用に、あらかじめ柔らかくしておくのがポイントです。水引をまとめたら先端を揃えて、水引を押さえながら指をスライドさせると、柔らかくできます。
また、柔らかくした後に、先端をはさみで切り揃えておきましょう。
あわじ結びの結び方
前述のとおり、梅結びはあわじ結びの応用なので、最初にあわじ結びの結び方を覚えておきましょう。あわじ結びができるようになると、贈り物の水引はもちろん、あわじ結びを使った小物作りも楽しむことができます。
あわじ結びの結び方の手順は、以下のとおりです。
【あわじ結びの結び方】
1.水引を揃えて持ったら、中心辺りで右側が上にくるように交差させて、しずく形の輪を作る
2.水引が交差した部分を片手で持つ
3.1で作った輪の上の少しずらした場所に、右側の水引で同じように輪を作る
4.2つの輪が交差した部分を片手で持つ
5.左側の水引の先端を持って、輪が重なってできた輪の合間を、下の輪から順番に下、上、下、上、下と通していく
6.水引を引っ張って形を整えたら完成
梅結びの結び方
梅結びの作り方は、あわじ結びを作ってから、少し手順を増やすだけです。
【梅結びの結び方】
1.あわじ結びの左右の輪を持ち、引っ張って中央の輪を小さくする
2.水引を内側から1本ずつ引っ張って、左右の輪を小さくする
3.あわじ結びの左側の先端を、真ん中の輪に上から通す
4.右側の先端を、3でできた輪の中に上から通す
5.水引を引っ張って、花びらの形を整える
6.残った水引を裏側で交差させたら、針金で固定する
7.余った針金と水引をカットして完成
梅結びのポイントとアレンジ方法
水引は、5本で使用するのが基本です。これは、「世の中のものは木・火・土・金・水の5つの要素から構成されている」という、五行説の考えが由来とされています。
また、「奇数は陽、偶数は陰」という陰陽説に基づき、基本的には水引の本数は奇数にします。9は奇数ですが、「苦(ク)」に通じて縁起が悪いとされているので避けましょう。
結婚祝いに梅結びを使う場合は、5本を二重にして豪華に飾るという意味で、10本の水引にすることもあります。
梅結びの基本の作り方に慣れたら、アレンジして楽しむのも良いでしょう。
水引の本数を増やしたり、減らしたりすることで、できあがりのサイズを変えてみるのもおすすめです。本数ではなく水引の色を変えて、オリジナリティある梅結びを楽しむこともできます。
梅結びに最適なシーン
「松竹梅」という言葉があることからもわかるように、日本では梅の花は縁起が良いものとされています。そのため、梅結びもおめでたいシーンで使われることが多いです。
ここでは、梅結びが使われるシーンの例をご紹介します。
結婚や就職、新築祝いに
固い絆や運命向上、魔除けという3つの意味を持つ梅結びは、おめでたいシーンで使われることが一般的です。
一度結ぶと簡単にはほどけないことから、結婚祝いのシーンには特に適しています。その他には、進学や就職祝いに使うのも良いでしょう。
また、お守りとして新築祝いや出産祝いに使ったり、運気向上を願って梅結びのアクセサリーや髪飾りを作ったりするのもおすすめです。
お正月やクリスマスの飾りに
かわいらしい見た目なので、華やかな場面を彩る用途にも最適です。例えば、縁起が良い紅白カラーの梅結びなら、お正月に飾るしめ縄や瓶飾りなどに使うことができます。
紅白はクリスマスカラーでもあるので、オーナメント(クリスマスの飾り)に使うのも良いでしょう。
また、プレゼントのラッピングに梅結びを使って、華やかさを演出することも可能です。
梅結びにチャレンジしてみよう
縁起の良い梅の花を模した梅結びは、結婚祝いや進学祝い、出産祝いなど、さまざまなシーンで使われている結び方です。かわいらしく華やかな見た目なので、日頃身につける手作りのアクセサリーに活用するのも良いでしょう。
また、一見すると複雑ですが、覚えてしまえば比較的簡単に作ることができる結び方でもあります。祝いごとの際は、水引の基本的な結び方の1つである、梅結びにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。