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梅の実は品種ごとに何が違う?種類ごとの特徴と梅の実の育て方

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実を梅干しにしたり、美しい花を眺めたり、さまざまな方法で楽しめる梅は日本文化を代表する植物のひとつです。原産地は中国で、日本には奈良時代以前に伝わったとされています。 

梅は非常に種類が豊富で、品種改良されたものを含めると300種類以上の品種があるとされることはご存じでしょうか。 

ここでは、梅の品種や梅の実の育て方、収穫した梅の実の加工方法などをご紹介します。

品種が豊富な梅

梅は、実を食用にする「実梅(みうめ)」と、花を観賞する「花梅(はなうめ)」に大きく分けることができます。ただし、きれいな花を咲かせる実梅や、おいしい実がなる花梅もあるなど、厳密に区分けされているわけではありません。 

食用の実梅と観賞用の花梅の特徴や、代表的な品種は以下のとおりです。 

食用の梅の品種 

梅の実を食用とするために栽培される実梅だけでも、約100種類もの品種があるとされています。中でも、代表的な実梅の品種をご紹介します。 

【南高(なんこう)】 

生産量が多く、全国的にも高い知名度を誇る代表的な実梅の品種です。和歌山県で多く栽培されています。皮が薄く果肉は柔らかいので、ジューシーな食感を楽しめるのが特徴です。種が小さめで果肉が厚いため、食べ応えもあります。 

【古城(ごじろ)】 

熟す前に収穫する青梅の一級品として知られていて、青いダイヤモンドと呼ばれることもあります。南高よりも実は固く、爽やかな香りを楽しめるのが特徴です。 

【豊後(ぶんご)】 

梅と杏(あんず)の交雑種とされる、大粒の品種です。寒さに強いため、東北地方をはじめとした寒冷地でも栽培されています。花梅として楽しめるのも魅力です。 

酸味が少なく、梅酒やジャム、梅シロップに向いています。 

【白加賀(しらかが)】 

群馬県を中心に、主に東日本で栽培されている品種です。大粒で形の美しい実は果肉が肉厚なので、梅干しから梅酒まで幅広い用途に使えます。 

【竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)】 

実が小さい小梅の中では、特に多く生産されている品種です。カリカリ梅の原料としてよく使われています。 

他にも、実梅ながら美しい花を咲かせる「花香実(はなかみ)」、古くから親しまれている「鶯宿(おうしゅく)」といった品種があります。 

観賞用の梅の品種 

花の鑑賞を目的に栽培されるのが花梅です。実を食べられないわけではありませんが、実梅に比べると食用に適さないものが多い傾向にあります。 

花梅は大きく3種類の系統に分けることが可能です。 

【野梅(やばい)系】 

野梅系は中国由来の梅の子孫で、梅の原種に近いとされる系統の品種です。花梅の品種の中でも特に多く見られます。 

全体的に花や葉は小さく、枝も細いのが特徴です。花の色は白や淡い紅色など多彩で、香りが良いことでも知られています。 

【緋梅(ひばい)系】 

野梅系が変化したもので、枝や幹の断面が赤いのが特徴です。花は紅色や緋色が多いですが、白色のものもあります。 

【豊後(ぶんご)系】 

梅と杏との交配により生まれた品種で、花はピンク色や薄紅色をしたものが多いです。遅咲きで香りが控えめな傾向にあります。 

梅の実の育て方

​​梅は成長が早く丈夫なので、比較的簡単に育てることができます。盆栽なら場所を取ることもないので、梅を育ててみてはいかがでしょうか。もちろん、梅の実の収穫を目的に育てることもできます。 

梅を育てる際の手順と、ポイントをご紹介します。 

植え付ける 

最初に育てたい梅の種類を決めましょう。実の収穫が目的の場合は、実梅に分類される品種を選ぶのがおすすめです。寒冷地の場合は、寒さに強い豊後や白加賀などの品種を選ぶと良いでしょう。 

自家結実性(自身の花粉で受粉して実を付けること)が低い品種が多いため、実を付けるためには別の梅を近くに植えたり、梅の枝をついだりすることが重要です。 

日当たりが良く水はけの良い場所に、11~3月の葉が落ちている季節に植え付けるようにします。 

日当たりが悪くジメジメした場所だと上手に育たない恐れがあるため、注意が必要です。 

また、風通しの良い場所に植えることも心がけましょう。冷たい風が当たると傷んでしまうので、冬場は冷たい風が当たりにくいかも確認しておくと安心です。 

剪定する 

植えた後は定期的に剪定を行いましょう。剪定を行わないと、不要な枝にも栄養がいってしまい、樹形が悪くなったり花や実がきれいに付かなかったりする可能性があります。 

風通しや日当たりが悪くなり、虫害につながる恐れもあるので、欠かさずに行うことがポイントです。 

剪定のタイミングは樹齢にもよりますが、ある程度成長してきたら、夏と冬の2回を基本に行いましょう。場合によっては、春に剪定を行っても問題ありません。 

特に、葉が落ちる冬は木の状態がわかりやすく、剪定を行いやすいです。枯れていたり伸び方がおかしかったりする枝を切り落として、しっかりと良い枝を残しましょう。 

土作りと水やりがポイント 

梅の木を育てる際に意識したいのが、土作りと水やりです。梅は通気性や水はけの良い土壌と水を好みます。 

苗を植える前に土づくりをしっかり行い、水もたっぷりあげることを心がけましょう。 

鉢植えの場合は、鉢底に石を並べてから土と肥料を入れ、苗木を植え付けます。その上からさらに土を入れて、苗木を安定させましょう。必要に応じて支柱を立てて苗木が倒れるのを防いでください。 

庭木の場合は、苗木を植え付ける場所に肥料を混ぜ込んでおくのがおすすめです。 

ただし、肥料を多くあげすぎると徒長(必要以上に枝や茎が伸びた状態)します。植え付けから時間が経ち大きく育った場合は、肥料をあげすぎないように注意しましょう。 

実の収穫時期は?

梅の実の収穫時期は、天候や地域などにもよりますが、一般的には6~7月の梅雨の時期です。青梅の場合は6月上旬、完熟梅の場合は6月下旬頃を目安に収穫を行います。温かい地域では5月下旬頃から収穫することが可能です。 

雨が多い時期に収穫時期を迎えるため、天気が良い日を見計らって収穫することをおすすめします。青梅の場合は実を傷つけないように、手で一粒ずつもぎ取って収穫してください。 

完熟梅の場合は自然に落下するため、収穫用にネットを張っておくと簡単に収穫できます。虫に食べられてしまう可能性があるので、早めに収穫することを心がけましょう。  

収穫した実は加工して楽しもう

収穫した実は、梅干しにしたり梅酒にしたり、さまざまな方法で楽しむことができます。 

梅の実を加工する際に欠かせない下ごしらえの方法と、楽しみ方の例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 

収穫後の下ごしらえ 

実を収穫したら、使う前に水で丁寧に洗って汚れを落とします。実を傷つけないように手で優しく洗うのがポイントです。 

青梅は洗った後に水に数時間つけておき、アク抜きを行う必要があります。完熟梅の場合はアク抜きは必要ありません。 

洗った後に水気を拭き取り、ざるや布巾に並べて乾燥させましょう。最後に、実のヘタを取ったら下ごしらえが完了です。 

梅の実の加工例 

梅の実の使い方というと、梅干しが思い浮かぶかもしれませんが、他にもさまざまな方法で楽しむことができます。 

例えば、梅を塩と一緒に漬けて保存しておけば「梅漬け」に、砂糖やお酒と一緒に漬けこめば「梅酒」に、梅と砂糖を煮詰めれば「梅ジャム」になります。 

梅の品種によってどのように味わいが変わるのか、試してみても面白いでしょう。

梅の実をさまざまな方法で楽しもう

​​梅は栽培して花を観賞するだけでなく、収穫した実を食べて楽しむこともできます。観賞用と食用に分けられますが、食用でも花がきれいな品種や、観賞用でも実がおいしい品種などもあります。 

好みの品種で梅の実を楽しんでみてください。

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